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2007年09月 アーカイブ

2007年09月01日

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EVENT: From the exhibition New Creators Met Together in Europe

東京ミッドタウン内21_21 DESIGN SIGHTにて開催中のヨーロッパで出会った新人たち展
今日は連日多くの来場者で賑わうその模様の一部をお届けします。

タイトルが示す通り、ヨーロッパでファッションやアートを学び、コンペやイベントを通して出会ったファッションデザイナー6組11名が世界へと自らの創造を発信をすべく東京に集結して開催されているのがこの展示。
会場はメインのインスタレーションが設置されたスペース、そしてコレクションのイメージと共同作品ピースからなるスペースの2セクションに分かれており、メインスペースでは6つの白いボックス型のブースに各々のブランド/デザイナーのコレクションのテーマ映像が投影され、その中に衣服が展示されているという構成となっています。

As the exhibition title suggests, this particular event features 11 fashion designers from 6 different brands, who studied in Europe and met each other at fashion competitions and events. They came together to transmit their creations from Tokyo.

The exhibition is being held in two different spaces within the museum. The main room contains 6 booths, one for each brand.
Film images of each brand's exhbition collection are projected onto the outside of each cube-like booth, with the actual garments on display inside.

それでは各ブランドの展示を覗いてみましょう…(各画像をクリックするとポップアップ表示されます。)


writtenafterwards (山縣良和 / 玉井健太郎)
白で統一された衣服と空間。明暗で浮かび上がる繊細なディテールが美しい。
The collection and exhibition space are all in white, and the resulting light and shadows enhance the delicate details of the garments.


MIKIOSAKABE (坂部 三樹郎 / Shueh Jen-Fang)

等身大の人形風マネキンが回転し続ける姿はどこかフューチャリスティック。
Rotating Barbie-doll like mannequins, creating a somewhat futuristic feel.


HUI-HUI (Anne Schwatzler/Katharine Trudzinski/Johanna Trudzinski)

女性3人からなるHUI-HUI(フイウイ)の展示はひときわカラフル、そして元気さがあふれる。
The collection from the three girls' collective is the most colourful and energetic of all!



STEREOTYPES
 (Helena Lumelsky/Demna Gvasalia)

ブースの外側に映し出されるのは手術風パフォーマンス。中にはまさにその手術台とマネキン、そして周囲を取り巻くようにロッカーが配置されている。来場者がロッカーをあけると中にはひとつひとつテーマにそった衣服等が入っており、サウンドが流れているという仕組み。
The projected film is of a medical operation-like performance. The inside of the booth is like an operating theatre, surrounded by lockers!
Each locker is filled with garments, accessories and sounds on a particular theme, and visitors will have to open them to see what's inside!






TARO HORIUCHI (堀内太郎)

樹木に掛けられた衣服とアクセサリー。砂で覆われたフロア。パターンを描くようにちりばめられたガラス状の物質。その不思議な質感の重なりが、コレクションの世界観をより一層強めている。
The garments and accessories are displayed on a tree. The floor is covered with sand, on top of which is a pattern made by glass-like objects. The poetic and surreal mixture of each different texture successfully emphasises the theme of the collection.


POESIE (AKIRA NAKA)

ブースの外側に映し出される花。そしてブースの中にもフレームを通して見るように配置された花のオブジェが。
It's full of flowers – both inside and out.

展示は9月5日(水)まで。ファッションの未来の鍵を握るデザイナーたちのコレクションを是非ご自分の目でお確かめください!

『ヨーロッパで出会った新人たち』
8月30日(木)– 9月5日(水)
11:00 - 20:00 (入場は 19:30まで)
会場:
21_21 DESIGN SIGHT
入場無料

2007年09月06日

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EVENT: IDEAL SHOWROOM / FASHION SHOW / FORUM

IDEAL といえばベルリンで開催されるファッションブランドを中心とした展示会イベント。
バイヤー、ファッション関係者のみならず、カルチャーに敏感なあらゆる層が注目をするこのIDEALがこの夏も7月13日から3日間にわたって行われました。
現地ベルリンに拠点を置くLodownマガジンのAkikoさんからその模様のレポが届きましたのでお届けします!

IDEAL SHOWROOM / FASHION SHOW / FORUM
2007. 7.13 - 15. Berlin.

IDEAL はベルリン・ミッテのセレクト・ショップBEST SHOP が運営、そして主催する年2回の展示会と、新人デザイナーのコレクションを発表するキャットウォーク・ショウ、というプログラムになっている。
今年は展示会とキャットウォーク・ショウの他に、アート展IDEAL FORUMも開催。
メインであるショウルーム会場は、2006年のスタート当初からおなじみの、地元ではクラブ・イベントを含む多目的スペースとして知られるCafe Moskau。ここは旧東に位置する共産主義時代の建築、そしてインテリアがそのまま残されているレトロでヒップなロケーション。

(左) Cafe Moskauエントランス (右) ショウルーム内 



IDEALのブランド・セレクションにおけるコンセプトは、小規模でありながらも、インターナショナルなレベルで通用する、アヴァンギャルドかつハイファッション、そして革新的なストリートウェア。
今年も前回に引き続き、コンセプトに見事に見合った約100組のデザイナー/ブランドが2008年の春夏のコレクションを展示された。ドイツ国内のブランドはもちろん、フランス、イギリス、デンマークやスイスなどヨーロッパから、北欧やアメリカ、日本からもいくつかのブランドが参加していた。

今回、とりわけ目を引いたブランドは、ドイツで有数の革製品の工場が有名なオフェンバッハを拠点とするブランドAirbag Craftworks
元々、DJの為のレコードバッグを作っていたこのブランドは、鞄を中心とするファッション・ブランドであり、ハイファッションでもなく、またストリートファッションでもなく、ちょうどその間の何とも言えないバランスが彼らの作るものに表れている。とはいえ、鞄はもちろんオフェンバッハで作られており、手作りの革製品らしく、デザインは同じでも、各商品に微妙な違いがあるのが魅力的。

(左) Airbag Craftworksのレコード・バッグ (右)Offenbachで作られているその名もOffenbachというスタイル名の鞄


BANG! と題されたIDEAL FORUMでは、地元ベルリンのギャラリーMagnus Mueller との共同開催のアート展。Cafe Moskauの目の前のガラス張りのパビリオン内には、ギャラリーのセレクトしたアート作品が地上階の広大なスペースに展示され、地下のスペースでは今期のIDEALのフライヤーやポスターに使用された、写真家のThomas Nasstromのファッション写真、それからエキセントリックなスタイルが有名なファッション・ジャーナリストDiane Pernet の監修したファッション・ドキュメンタリー作品 "You Wear It Well" が上映された。

(左) IDEAL FORUM内 (右) フォトグラファーThomas Nasstromの作品


冬期IDEALの日程はスケジュールがアップされ次第、ウェブサイトに告知されるので、是非チェックを。

TEXT:
AKIKO WATANABE
akiko@lodownmagazine.com

2007年09月08日

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EVENT: Happy Birthday Helvetica at Colette

9月3日よりパリのColetteにて書体Helveticaの50周年を記念する展示Happy Birthday Helveticaが開催中。さて、HelveticaとColetteとの関連性は?と聞かれてピンと来る方もいらっしゃるかもしれません – そう、ColetteのロゴはHelveticaで組まれているのです!
今回の展示は映画Helveticaの監督Gary Hustwit のキュレーションのもと、ロンドンのDesign MuseumでもフィーチャーされたBlankaプロデュースのポスター類やこの展示の為につくられたSeven Refillによるスケートボードなどが展示されています。(店内の模様はこちら。)

また、ロンドンではICAで映画Helveticaの期間上映が開始。9月8日のオープニングではGary Hustwitに加え、デザイン批評誌eyeDesign ObserverでおなじみのRick Poynor、元The Designers Republic/現BuildのMichael C Placeを迎えたトーク、そしてこの日のためアムステルダムから飛んできた Experimental JetsetによるDJセットがあったそう!(ちなみにMicheal C PlaceとGary HustwitもDJを担当。HustwitはColetteでの展示用に持ち歩いていたHelveticaを使ったジャケットのレコードコレクションから選曲をした模様。その中にはTelevisionのMarquee Moonも。)

Helveticaイベントもどこか親しみやすくもカジュアルになりすぎず、且つクールな雰囲気の漂うムードに染められているのは、ColetteとICAというカルチャーの先端を担う場所のなせる技かもしれません。また9月17日にはロンドンDesign MuseumでもGary Hustwit, Matthew Carter, Jonathan Barnbrook, Emily King, Deyan Sudjicという超豪華メンバーによるパネルディスカッションが映画上映と同時に予定されています。(チケットは既にソールドアウト!)
Helveticaフィーバーの動向から、まだまだ目が離せなさそうです!

Happy Birthday Helvetica
3 - 29 September 2007
Colette
213, rue Saint-Honoré 75001 Paris

2007年09月12日

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EVENT: DIESEL DENIM GALLERY AOYAMA OPENS!

ファッションとアートが融合する空間
DIESEL DENIM GALLERY AOYAMA


東京・NYのみで展開されるDIESEL DENIM GALLERYが代官山から青山に移転オープン。
9月4日のオープニングパーティーは東京ファッションウィーク期間中ということもあり、ファッション関係者・アーティストなど、大勢のゲストで賑わっていました。

DIESEL DENIM GALLERY Tokyo re-opened on the 4th of September, moving from Daikanyama to a new site in Aoyama. The opening party was full of artists and people from the fashion industry, making it a highlight of Tokyo Fashion Week .

1Fでは、ディーゼルの商品の中でもデザイン性が最も高いDIESEL DENIM GALLERYコレクションがアート作品のようにディスプレイされ、店内中央にはアーティスト・Hirofu ISO/Komainuによるインスタレーション作品「ONCE NIGHT FALLS」を設置。その名の通りファッションとアートが交差する場所となっています。

On the ground floor, the DIESEL DENIM GALLERY collection has been displayed as pieces of art: Hirofu ISO/Komainu's piece 'Once Night Falls' was placed in the centre, emphasising the gallery's theme of 'where fashion meets art'.

2Fはギャラリースペースとして開放され、今後3カ月に1度のペースで新しい若手アーティストの作品を発表し、彼らの活動を積極的にサポートしていく予定。
現在はオープニング展として、グラフィック・立体などを用い、独特な世界観を表現するアーティスト・佃弘樹によるエキシビション「doctrine」を開催中。
The first floor is open to the public as a gallery space, and will feature various young artists every 3 months. The opening exhibtion will feature Hiroki Tsukuda's 'doctrine,' which portrays the artist's unique vision using graphics and 3-D objects.


You are what you buy but also what you see! ショッピングだけじゃ物足りない、そんな方は是非足をお運び下さい。

You are what you buy but also what you see - the gallery is a perfect place for those who want something more than just retail therapy!

DIESEL DENIM GALLERY AOYAMA
住所:東京都港区南青山6-3-3
電話番号:03-6418-5323
営業時間:1F STORE 11:00〜20:00
     2F GALLERY 13:00〜20:00
定休日:不定休
http://www.diesel.co.jp/


1F INFO
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Once Night Falls Hirofu ISO / Komainu
場所: DIESEL DENIM GALLERY AOYAMA 1F
日時 : 2007年9月4日(火)〜2008年1月20日(SUN)
Curator : 北澤ひろみ (NANJO and ASSOCIATES)
Courtesy :ミヅマアートギャラリー

2F INFO
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doctrine Hiroki Tsukuda
場所: DIESEL DENIM GALLERY AOYAMA 2F
期間 : 2007年9月4日(火)〜2007年11月18日(SUN)
Curator : NANZUKA UNDERGROUND

2007年09月15日

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INFO: Julie Verhoeven for Mulberry

Julie VerhoevenといえばLouis Vuittonをはじめとするファッションブランドからのコラボレーション依頼が多いことで知られるイラストレーター。

今シーズン、彼女がタッグを組んだのは自らの出身地でもある英国のブランド Mulberry
Classic Britishという定義の再考を促すこと – をテーマに、Tシャツ、シルクのドレス、トート、キルティングバッグ、キーホルダー、そしてスカーフなど、幅広いアイテムに彼女のイラストレーションがあしらわれ、発売前から大きな話題を呼んでいます。

London Fashon Weekに合わせ、9月16日より3週間に渡り、MulberryのロンドンNotting Hill 店がこのコレクションをフィーチャーしたショップに大変身。(フルコレクションが手に入るのは世界でもこの店舗とHarvey Nichols Knightsbridge 店のみ。その後は英国最大規模の国際アートフェアFrieze Art Fairの開催時期にあわせ、Bond Street店へと移動。一部の商品はMulberryのオンラインショップでも販売予定。)
ファッション、アート、イラストレーションの境界を行き来しながら活躍するJulie Verhoevenの新たな試み – この時期ロンドンを訪れる方は是非チェックを!!

Julie Verhoeven is an artist who loves fashion, and whom the fashion world loves. For this season, she has teamed up with her native UK's Mulberry to create a collection that will make people re-think the term Classic British.

The pieces include a T-shirt, dress, tote and scarf and carry Verhoeven's unique illustrations – they will certainly be this season's must-have items.

From 16th of September for three weeks, Mulberry's Notting Hill branch turns into a special pop-up store, where the entire collection will be featured. (The collection is also available from Mulberry's Harvey Nichols branch, and some items will be available from Mulberry's website.)


The world of Julie then moves to Mulberry's Bond Street store in time for the Frieze Art Fair in October.

Julie Verhoeven for Mulberry 'pop-up' store
Mulberry Notting Hill branch
199 Westbourne Grove
London W11 2SB

2007年09月20日

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EVENT: URESICA ZOO at Calm & Punk Gallery


西麻布Calm & Punk Galleryにて、9月21日(金)、22日(土)、23日(日)の3日間、絵本作家を中心としたクリエイターのセレクトショップ、URESICA(ウレシカ)による、3日限りの動物園がオープンします!

『ウレシカ動物園』と名付けられたこのエキシビションでは、シュライヒ社(ドイツ)の動物フィギュアを中心に、URESICA(ウレシカ)によってセレクトされたアイテムおよび動物をモチーフとしたクリエイター作品・グッズの展示と販売が行われます。
(下記画像は22日(土)の模様)

《ウレシカ動物園・参加クリエイター》50音順
・ オカダン・グラフィック(グラフィックデザイナー)
・ 久利屋グラフィック(シルクスクリーンプリンター)
・ 田中清代(絵本作家)
・ たんじあきこ(イラストレーター・絵本作家)
・ 丹地香(ニットデザイナー&人形作家)
・ 丹地陽子(イラストレーター)
・ どいかや(絵本作家)
・ 山田美津子(イラストレーター)

『ウレシカ動物園』
2007年9月21日(金)、22日(土)、23日(日)

時間:11:00 − 19:00 
入場:無料
会場:CALM & PUNK GALLERY (カームアンドパンクギャラリー)
TEL:03-3401-0741
企画:ビッケワークス 共催:CALM & PUNK GALLERY 

2007年09月23日

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INFO: Dot Dot Dot 14 ‘S as in SStenographer’


かつて、これほどまでに思考を誘発するデザイン雑誌が存在しただろうか。

Dot Dot Dotは、英国出身のStuart Bailey、チェコスロバキア出身のPeter Biľakという二人のデザイナーによってオランダを拠点に2000年に創刊されたグラフィックデザイン誌である。

ありふれた、いわゆるポートフォリオ的なデザイン雑誌ではなく、既存の出版物に欠けているものをつくることを目指しているというその内容は、グラフィックデザインに関連したテーマを直接的に、そして間接的に、デザイナーやアーティストを中心とした数名のコントリビューターが綴るというものである。平面デザインをはじめとし、フィルムやアート、ビジュアルカルチャーの様々なトピックが語られている。

書店の美術・デザイン専門書コーナーに並ぶにはややもするとおとなしく、活字中心でアカデミックに過ぎるともとられかねないそのビジュアルと内容は、現役の若手デザイナーを中心に熱狂的に受け入れられ、ヨーロッパのデザイン専門書店では入手困難な状況をも生み出した。

通算14号目となる最新号はS as in SStenographerと題され、David ReinfurtDmitri Siegel、Graham Meyer、Melissa Gronlund、Will Holder、Alex Waterman、Emily Pethick、Ryan Ganderなどの執筆陣を迎えている。今号もグラフィックデザイン関係者、そして英語圏だけに留まらせておくにはあまりにも惜しい一冊になりそうだ。

2007年09月25日

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EVENT: Ryan Gander exhibition at TARO NASU (Tokyo)

9月28日より、六本木のTARO NASUにてRyan Ganderの個展 ‘GHOSTWRITER SUBTEXT (TOWARDS A SIGNIFICANTLY MORE PLAUSIBLE INTERROBANG)’ が開催。


Ryan Gander GHOSTWRITER SUBTEXT (TOWARDS A SIGNIFICANTLY MORE PLAUSIBLE INTERROBANG)
(C)Ryan Gander 2006 / Courtesy of TARO NASU

Ryan Gander(ライアン・ガンダー)といえば、オランダ発のグラフィックデザイン誌 Dot Dot Dotへの寄稿や、同誌編集長であるStuart Baileyとの共同ワーク、そしてロンドンを拠点とするベルギー人グラフィックデザイナーSara De Bondtとのコラボレーションも多く、現代アート界のみならず、近年のオランダ、英国のグラフィックムーブメントの中でもその存在を深く印象づけるアーティストである。

Gander氏は1976年英国に生まれ、Manchester Metropolitan Universityを卒業後、オランダのJan van Eyck Akademie、Rijksakademie van beeldende kunstenに学んだ。2005年のArt BaselでのBaloise Art Statement Prizeをはじめ、受賞歴多数。2006年にはイギリスのTate Triennialに参加。2007年、2008年はオランダのStedelijk Museumでの個展を開催するなど、その多彩な活躍は国際的にも評価が高い。現在はロンドンを拠点に活動している。

以下、プレスリリースより:
‘GHOSTWRITER SUBTEXT (TOWARDS A SIGNIFICANTLY MORE PLAUSIBLE INTERROBANG)’ と名付けられた今回の展覧会は2本の映像作品を同時上映するインスタレーションとして構成されている。
そのうちの1本は、ゴーストライターを職業とする男性をインタビュアーにむかえ、建築家レム・コールハースとインディペンデント・キュレイターのハンス・ウルリッヒ・オブリストが対談するもの。発言している当人は決して画面に写さないという独特の手法で撮影された映像は、話し手の声とそれに耳を傾ける聞き手の表情との微妙なすれちがいを緊張感をもって描きだしていく。

もう1本の映像作品は、ガンダ−自身が書いた対話形式のテキストを、黒一色の背景に白い字幕スーパーのみで写していくもの。コールハースとオブリストの対談と時にシンクロナイズし、時に逸脱をみせながら展開するその内容は、ガンダーによって紡ぎ出される「対話のパラレルワールド」ともいえるだろう。対話から生まれ、言語化されないままこぼれ落ちていく様々な想念をフィクションとして再構成した作品である。

この作品において、ガンダーはコミュニケーションの可視化を試みるだけでなく、人間が自らを語る時に生じる自己同一性の問題にも意識を向けている。だからこそ、対談の司会者として狂言回しの役を担うのは、他人の人生を自分のものとして語ることを職業とするゴーストライターでなければならなかったのである。

近年再び注目を集めているコンセプチュアルアートの分野において、ライアン・ガンダーほどその才能を期待される若手作家はいない。彼の作品は、作品をコンセプチュアルアートたらしめる透徹した論理と無限に広がる自由奔放な空想力との魅力的な複合体なのである。

Ryan Gander GHOSTWRITER SUBTEXT (TOWARDS A SIGNIFICANTLY MORE PLAUSIBLE INTERROBANG)
2007年9月28日(金)—11月2日(金)
会場: TARO NASU (東京)
住所: 〒106-0032 東京都港区六本木6-8-14・2F (地図)
営業時間: 火〜土 11:00-19:00 日月祝 休

2007年09月29日

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INFO: FANTASTIC MAN No.6


グラフィックデザインにおけるオーサーシップ(著作者・原作者であること)の重要性は、ここ数年頻繁に謳われる一つの大きなテーマである。

デザインがその対象物とより深いレベルで関わるための試みとして、多くのデザイナーがかつてタブー視されていた領域にまで活動の範囲を広げはじめたことは、至極自然な流れであるように感じられる。プロセスの下流の一段階だけにデザイナーが関わることによる弊害に、多くが不満を抱いていたことも大きいだろう。そしてこの動きは、インディペンデント雑誌や本において最も顕著である。

その中でも特にその個性と、高いデザイン性で知られるのが、オランダを拠点とするアートディレクター/エディター/パブリッシャーのJop van Bennekomである。Arnhem とJan van Eyck Akademieに学んだBennekomが、ReBUTT、に続いて始めた雑誌が、男性誌 FANTASTIC MAN だ。

最新号の第六号はフォトグラファーVINOODH MATADINを表紙と特集にフィーチャー、そしてRem Koolhaas(プラダエピセンターの設計などで知られる建築家であり、現在TARO NASUで展示中のRYAN GANDERのビデオインスタレーションにも登場する)、元BAUHAUSのPeter Murphyのインタビューなどで構成されている。

世界の敏腕エディター、ジャーナリスト陣による読み応えのある文章はさることながら、計算されたタイポグラフィーと写真、落ち着いたトーンで彩られるページは見る目に美しいだけでなく、その存在と誕生プロセスにおいて、デザインムーブメントのダイナミズムをも感じさせる一冊である。

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